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3月3日 バスツアー「静寂の尼僧寺院と正暦寺」

3月3日、奈良交通の定期観光バス「静寂の尼僧寺院と正暦寺」のコースに参加した。
奈良交通の定期観光バスの中でも、このコースは特殊である。
このコースの目玉は、なんと、ふだん非公開の門跡寺院である「円照寺」にお参りできることである。
そして、正暦寺では、手作りの精進料理もごちそうになる。
1日がかりで、昼食付きで、7150円。とても、盛りだくさんで、お得なツアーである。

最初に、「興福院」にお参りした。興福院には、名物の尼さんがいらっしゃる。すでに90才を越えられた、スーパー尼さんである。お名前を存じ上げないので、友人と私は、恐れ多くも、その方を、「こんぶばあ」とお呼びしている。不謹慎にもほどがある。が、とても可愛くて、魅力的な方なのである。そして、「こんぶばあ」のお話はとても面白い。
興福院のご本尊は、天平時代に作られた、阿弥陀三尊(重要文化財)である。興福院の阿弥陀さまは、徳川幕府解体の際、もう幕府から援助を受けられない(お金をもらえない)と知って、急いでお金を使うために、阿弥陀さまに、こともあろうに、ご丁寧に金を分厚く塗ってしまった。だから、貴重な天平仏で、本来は国宝の価値もあるのに、金を塗ったために、重要文化財なのだとか。
そもそも、国宝とか重要文化財とか、そのような価値基準に左右されて、私たちは、ものを見る眼を失ってしまっている。こころの眼でよく見て、美しいとか、面白いとか、愛おしいとか、こころから感動することができれば、それはもう国宝以上なのだ。

次に、「正暦寺」にお参りに行った。正暦寺のご本尊は、薬師如来(白鳳時代)である。秘仏であるが、特別に拝観させていただいた。とても可愛らしい仏像である。正暦寺は、日本酒発祥の地としても、また、紅葉の時期には「錦の里」としても有名である。だが、私が一番好きなのは、正暦寺は、精進料理をふるまってくださることである。住職の奥様が、丹精込めて、作ってくださった精進料理は、素朴であるが、自然の滋味にあふれていて、とても美味しい。お寺の境内の畑で作られた野菜も使われている。大和芋のお汁はからだが温まり、ふきのとうの天ぷらは、ほろ苦く、春の訪れを感じさせられた。

最後に、「円照寺」にお参りに行った。円照寺は、奈良の三大門跡尼寺(円照寺、中宮寺、法華寺)のひとつである。門跡尼寺とは、皇室の女性が出家する尼寺のことである。その証拠に、由緒正しき菊の御紋が随所随所にある。円照寺は、なにより、庭が素晴らしい。その日は、桃色の枝垂れ梅が満開だった。ふだんは非公開であるが、三島由紀夫の「春の雪」の映画化の際、ロケにも入ったそうだ。そして、奈良交通の今回のコース以外で、一般の人がこのお寺に入ることはできない。凛として、清楚なたたずまいのお庭を、いつまでもいつまでも眺めていたかった。

本当に充実した一日だった。来年もまたこのコースに参加したい。もちろん、来年もぜひ、「こんぶばあ」にお会いしたい。
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by tonepedra | 2010-03-16 00:45 | 神社仏閣