あをによし 奈良の都の 薬草曼荼羅

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カテゴリ:薬草/植物療法( 22 )

毒草と薬草と

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あまりうまく撮れなかったけど、この2つの写真は、実家の庭の毒草と薬草。
日陰のところにフキ、ドクダミが生い茂っていて、その中に隠れるようにひっそりと咲くスズランの花。
私は、この3つの植物が大好き。
もちろん、スズランは全草が毒だから食べられないけど。

北海道には、スズラン畑で一晩寝ると死ぬっていう言い伝えがあるらしい。
スズランは本当に可愛らしくて、うっとりする。
うちの実家のスズランは、ニホンスズランらしい。
ニホンスズランは、ドイツスズランよりも小粒で可愛いのだ。
ちなみに、スズランの花言葉は、「幸福」。
毒を持ちながら、「幸福」という花言葉をもつこの可憐な花が、なんだかとっても愛おしく感じる。
毒草でありながら、人間のこころには癒しを与えてくれるから、ある意味、スズランはこころの薬草なんじゃないかなと思う。

人間も、自分自身の中に、毒と薬をもっている。
時には、相手に毒を吐いたり、あるいは薬を与えたりしている。
良いことも悪いことも、実は紙一重のことって結構多い。
相手に同じ言葉をかけても、時には毒になり、時には薬になる。
その時の、その場の雰囲気や相手の表情を読み取ることもすごく大切である。

スズランのように、毒をもっていても、相手のこころを癒すことができるような、そんな力をもちたい。

tone
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by tonepedra | 2013-04-21 19:49 | 薬草/植物療法

桜の花にこめられた祈りと癒し

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桜といえば、ソメイヨシノが代表的な日本の桜であるが、オオシマザクラ(大島桜)は、私が最も好きな桜の花である。淡い桜色のソメイヨシノも美しいが、オオシマザクラのような白い花もとても美しい。

オオシマザクラの葉は、道明寺(桜餅)に使われている。オオシマザクラの葉を塩漬けにすると、独特の香り(いわゆる、桜餅のような香り)がするが、それはクマリンという成分が発せられる。ちなみに、塩漬けにしないと、クマリンは出てこない。

サクラは、生薬としては、桜皮(サクラの樹皮)が用いられ、鎮咳、去痰 解毒、解熱などの作用がある。
食用としては、ヤエザクラ(八重桜)の花を桜湯(おめでたい席でよく飲まれる、桜の花のお茶)として、オオシマザクラの葉を桜餅を包む葉として用いられるが、花も葉も、どちらも塩漬けにする。
最近では、サクラの花や葉にも、抗酸化作用、抗糖化作用、美肌作用などがあると研究されているらしい。また、民間療法では、桜湯や桜酒を飲むと、精神安定や安眠、喉の痛み、二日酔いなどにもよいとされている。

ところで、桜で私が思い浮かぶものは、奈良県の吉野の桜と、三輪の大神神社(三輪明神)の鎮花祭(はなしずめのまつり)である。

吉野山は、言わずと知れた桜の名所である。吉野の桜の由来は、修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が、修行をしているときに蔵王権現様が現れて、感得し、ヤマザクラの木で蔵王権現様の姿を刻み、お祀りしたことに始まると言われている。だから、吉野の桜は、お花見のためにではなく、蔵王権現様への信仰心のために植えられたのだ。つまり、吉野では、桜が神木なのである。

もうひとつ、大神神社(三輪明神)には、「鎮花祭(ちんかさい、はなしずめのまつり)」がある。昔、桜の花びらが風に舞い散る頃、同時に病気も花びらに乗って、風とともに広がり、病気が流行ると言われてきた。そのため、花を鎮めようとしたのである。このお祭りでは、大神神社のご神体である三輪山に自生するスイカズラ(忍冬、金銀花)とササユリ(笹百合)がお供えされる。どちらも、薬草として使われている。スイカズラは、抗菌、解熱、鎮痛などの作用があるとされている。ササユリ(ユリ科ユリ属)は、解熱、鎮咳などの作用があるとされている。
鎮花祭は、毎年4月18日に行われる。
鎮花祭では、特別に、「鎮花御幣」と「忍冬酒」が授与される。鎮花御幣は、疫病除であり、健康長寿を祈念する。忍冬酒は、三輪山のスイカズラと狭井神社のご神水で作られている。
私は、この鎮花祭のことを、くすり博物館(岐阜県各務原市)で知った。その時、桜の花びらが散る頃に病気が流行る、ということが、なぜか妙にこころに残り、いつか大神神社に行きたいと思った。その数年後に奈良に通うようになってからは、奈良が、祈りと癒しの特別な場所に思えた。今では、奈良に行くことが、私にとって、こころとからだの健康に役立っているような気がする。

桜には、いろんな祈りや癒しが秘められている。
たとえば、お花見で、お酒を飲んでどんちゃん騒ぎすることはマナーが悪いと言われるが、あえて、桜の木の下で飲んで騒いで楽しむこと自体に、何らかの意味があるような気がする。飲んで騒いでいたら、桜の花なんて見てないんじゃないか、とも思えるが、実は、それって、昔からやっているお祭り、ハレの日と同じことなんじゃないだろうか。飲んで騒いで楽しんで、自分自身を解放する時間は大切である。

桜の花は、目で見ても綺麗だし、味わうことや香りを楽しむこともできる。薬用にもなり、こころやからだも癒される。そして、華やかに咲いて、潔く美しく舞い散ることが、日本人の精神性を培ってきた。

日本の国花である桜の花が、日本人の祈りと癒しの象徴であることは、偶然ではなく、意味のあることのように感じられる。

tone
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by tonepedra | 2012-04-17 23:40 | 薬草/植物療法

「日本のハーブ暦」(小寒・大寒)

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昨日は、トトラボ主催「日本のハーブ暦 ~植物と暮らす二十四節気~」に参加した。
昨日のテーマは、「小寒・大寒」で、取り上げられた植物は、モミ。

ちなみに、今年12月7日が大雪であった。そして、12月22日が冬至、来年1月5日が小寒、1月20日が大寒である。

冬至は、一年で一番夜が長い日。この日は、カボチャを食べたり、柚子湯に入ったりして、風邪をひかないように、健康を祈願する。
小寒は、この日から「寒の入り」をあらわし、小寒から節分までの間を、「寒」という。
大寒は 一年で一番寒さが厳しい頃をあらわす。大寒を過ぎると、そのあとはだんだん暖かくなるらしい。

今日のテーマ植物であるモミ(樅)は、マツ科モミ属の常緑針葉樹で、日本には、モミ(Abies firma)やウラジロモミ(Abies homolepis)など5種のモミが自生する。寒い地方の植物と思われがちだが、琉球地方以外、ほぼ日本全国に分布する。
モミの樹脂は香り高く、古くから呼吸器系の植物療法として利用されていた。
モミは、ヨーロッパでは、「不滅の木」として象徴され、冬至祭やクリスマスでシンボルツリーとして飾られる。冬至は、太陽の再生(生まれ変わり)をあらわし、クリスマスはイエス・キリストの誕生をあらわすが、このふたつの日が近いのは偶然ではないような気がする。寒い冬に、温かい太陽の光をまつるのは、古くから大切な信仰だったのだろう。日本でも、お正月には門松としてマツとタケが飾られるが、特別の儀式の日に、香りの高いシンボルツリーがまつられるのは、世界共通のようである。

今日の実習では、モミの温浸油とクリスマスリースを作った。モミの葉と枝を細かく刻み、マカダミアナッツ油に浸し、湯煎する。モミをハサミで刻む作業は、モミの樹脂がついて手がベトベトになってしまうが、部屋中にモミの香りが充満し、参加者みんなが幸せな気分になれた。
モミの精油成分には、リモネンやピネンなどが含まれ、抗菌作用、血行促進作用、創傷治癒作用などがある。モミの温浸油は、冬の乾燥して荒れた肌を優しく包み込んでくれる。

冬は、冬至、お正月、七草、小正月、節分など、植物を使う伝統行事が多い。それは、寒い冬に病気になりやすく、また食べるものが少なく栄養不足になりやすかった時代、健康や長寿を祈る人々の祈りや願いから生まれた智慧だったのだろう。こうした昔ながらの智慧を、これからも大切にしたい。

ところで、写真のクリスマスリースは、我が家では、クリスマスのあとも、門松がわりに飾られているのは間違いない。

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by tonepedra | 2011-12-10 12:39 | 薬草/植物療法

森のひとかけら

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7月17〜18日、トトラボ主催・キープ協会協力のプログラム「清里高原・夏の森 植物療法野外実習 〜生命の煌めきをみつめる〜」に参加した。
今まで清里には何回か訪れているが、毎回、自然を五感で感じ、さまざまな人とかかわり、植物の活用法や楽しみ方、自然とのかかわりを通した人生の生き方など、いろんな学びや知慧をお土産にいただいてきた。
今回のプログラムでは、清里の森の散歩と摘み草、清里モミのエアフレッシュナー作り、摘み草のパウダーのアイスクリーム、ココナッツシュガーのスクラブ作り、モミの樹脂の軟膏作りなどを行った。
その中で、特に、私のこころに残ったのは、森の散歩の途中で行った「ア・ピース・オブ・フォレスト(森のひとかけら)」というプログラムだった。

「ア・ピース・オブ・フォレスト」は、森に宿った小さないのち(生えたばかりの森の木の芽、幼木)を,参加者が自らの手で土を掘り起こし、そっと植木鉢に植え替えて、自宅に持ち帰って育てて、ある程度大きく育ったら森に返すというプロジェクトである。小さな芽は、森の中では陽当たりが不十分で、大きな木のそばに生えていたら負けてしまうし、動物たちに食べられてしまう可能性や踏みつぶされてしまう可能性も高い。でも、その小さないのちを、そっと森の外に持ち帰ることで、日光や水が与えられたら、森の中では消えてしまうかもしれない小さないのちを救えるかもしれない。もちろん、それぞれ持ち帰った場所は、清里の環境とは異なるから、育たずに枯れてしまうかもしれない。でも、木を育てるということで、いのちの大切さ、かけがえのなさを、少しでも感じたり考えたりするきっかけになればよい。
私は、モミジの幼木(芽)を持ち帰った。その森には、モミジの幼木をいくつかみかけたが、大きく育っているものはあまり見かけなかったので、モミジが育つには困難な環境なのではないかと考えた。本当は、最初、モミの幼木を探していたのだが、なかなか見つからず、なぜかモミジばかりが私の目についたので、モミジの幼木をいただくことにした。
清里の森の土は、栄養が豊富そうで、ふかふかとしていて、とても柔らかかった。そして、ちいさな虫もたくさんいた。
ちなみに、写真の左側が私が植えたモミジの木で、右側は私の友達が植えたハリキリの木である。下の紙は、森の小さないのちの育て方の秘伝が書かれた虎の巻である。

森の小さないのちを、わざわざ植えかえて、森とは環境の異なる都会に持ち帰り、自分のものにするのは、もしかしたら人間の傲慢かもしれない。でも、いのちは、別のいのちに依存しながら生きている。いのちは、ひとりだけでは生きることができない。私たちは、自然の恵みをいただきながら生きている。世の中のものは、すべてつながっており、関連性がある。講義では、四季(春夏秋冬)の円をもとに、「円環性」について学んだ。いのちはすべて、生まれてから死ぬまで、円環性をもっている。
四季は、よく人生に例えられることがある。春はいのちの芽吹き、夏は成長や開花、秋は成熟や実り、冬は智慧や浄化、というように。
もし、「円環性」を、あえて別の言葉で言うとしたら、「縁」ではないだろうか。そして、仏教用語の「縁起」という言葉も思い浮かんだ。もし、「円環性」を描くとしたら、仏教のなかでは、それは「曼荼羅」というかたちになるのかもしれない。
「縁起」とは、「物事には必ず理由や原因がある」という意味である。世の中には、わからないことはたくさんあるが、理由や原因は必ずある。いのちが生まれることも、生きることも、喜怒哀楽を体験することも、やがて死ぬことも、きっと理由はある。答えは見つからないかもしれないが、答えを求めて生きていくことに、生きる意味があるような気がする。

今年は、地震、原発事故、放射能汚染という難しい問題を通して、「いのちってなんだろう」という問いかけをぶつけられた気がする。人にはいろんな考えや想いや価値観があるが、いのちに変わりはない。どんないのちも大切で、生きているということだけで価値がある。

「森のひとかけら」は、宇宙、あるいは、いのちを織りなす「曼荼羅」のひとかけらなのかもしれない。

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by tonepedra | 2011-07-22 20:54 | 薬草/植物療法

奈良での摘み草体験

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先日、トトラボ主催のワークショップ『ブルーベリーの育つ土壌から 〜土のこと、ハーブのこと』に参加した。奈良県宇陀市室生にあるブルーベリー農園を訪れ、ブルーベリーの下草として生えている日本のハーブについて学んだ。

その農園は、有機農法でありながら、有機JASという規格はあえて取得していないという、独特なシステムをもっている。
有機農法とは、「指定以外の化学合成された肥料や農薬を使わず、有機質肥料を使う農法」を指す。有機JAS法の関係から、有機JASを取得しないものは、「オーガニック」と名乗ることはできない。しかし、「指定以外の化学合成された肥料や農薬」の中の「指定」には、いろいろあるらしく、中には邪道なオーガニックを名乗るものもあるらしい。
有機農法の本来の目的は、「周囲の環境破壊リスクを低減」させ、「周囲の環境を汚すことなく、次世代によりよい環境をバトンタッチする」ことであり、生物多様性をふまえた環境への配慮が重要視される。つまり、植物も動物も微生物も、バランスを保ちながら、お互い持ちつ持たれつの関係を築く中で、農業は自然の恵みの一部を分けてもらうという姿勢が大切なのである。

実習は野外で行い、ブルーベリー農園の下草として生えているいろんな植物(いわゆる「雑草」と呼ばれている草たち)を採取し、ヨモギを用いて浸出油を作った。

ブルーベリーは、ツツジ科の植物であり、酸性の土地を好む。ブルーベリーの育つ土壌は酸性であるから、ブルーベリーの下には、同じく酸性を好む植物が生えてくる。そういえば、ツツジの近くに、よくドクダミが生えているのも見かけるが、同じ酸性土を好むからなのだと、今更ながら気づいた。
今回、私たちが農園で出会った植物は、ヨモギ、スギナ、タンポポ、ナズナ、ハコベ、ドクダミ、クローバー、オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、タネツケバナ、フキ、ススキなどである。これらの多くは、昔から日本のあらゆる場所に生えており、民間療法として用いられてきた日本のハーブである。

「ヨモギは抗菌作用があり魔よけのハーブ」、「スギナはお肌をしっとりさせ、リンスにもなる」、「ハコベは歯磨きになる」「オオイヌノフグリの花の色は酸性度をあらわす」、「カマキリの巣の高さは、降雪量をあらわす」、「カラスノエンドウは根に根粒菌(バクテリア)をためるから、そのバクテリアが肥料を分解する」、など、ためになる話をたくさん聞きながら、摘み草に夢中になった。

このあと、摘み草したヨモギから温浸油を作った。ヨモギは、収斂、止血、鎮痛、抗菌、血行促進などの作用がある。世界中のいろんな地域で、ヨモギに似たハーブ(セイジブラシなど)は、「魔よけのハーブ」として用いられていることも興味深い。

写真は、ブルーベリー農園の下草として生えていた日本のハーブで作った、小さな花束である。小さいけど、さまざまな薬効がある。
室生の思い出のブーケは、野原の小さな薬箱である。

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by tonepedra | 2011-05-08 09:49 | 薬草/植物療法

「日本のハーブ暦」(啓蟄・春分)

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昨日は、トトラボ(SchonI of HerbaI Medicine)主催のセミナー「日本のハーブ暦〜植物と暮らす二十四節気〜」に参加した。今回のテーマは、啓蟄と春分。

啓蟄は、今年は3月6日。啓蟄とは、暖かい気配を感じて、土の中でじっとしていた虫が動き始める頃をさす。この頃、桃の花が咲き始め、春の花が順々に咲いて、春の色や香りを感じられるようになる。
春分とは、太陽が真東から昇り、真西に沈む日で、昼と夜の長さが同じになる日である。お彼岸は、春分または秋分の日を中日として前後3日間をさすが、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、春分の日を境に、春が本格化する頃である。お彼岸を過ぎると、桜の開花の季節となる。

今回、実習では、春の香りが漂う梅の花のチンキ剤と、まだまだ寒い気候でも元気になれそうなユズとダイダイのリモナーデ剤を作った。

梅の花は、服用では健胃剤、鎮静剤として用いられてきた。また、近年の研究では、美白効果、肌荒れ防止効果、皮膚の抗炎症効果、抗酸化作用 などがあることが判明したらしい。
梅の花のチンキ剤は、ジャム瓶にホワイトリカーを注ぎ、梅の花を浮かべるだけ。とても簡単。でも、梅の花は、とてもデリケート。花は、摘むときなどの外部ストレスで、香りが変化しやすいので、優しく丁寧に愛情をかけて摘むことが大切なのだそうだ。

ユズは、有機酸やビタミンC、フラボノイドを含み、血行促進作用があり、風邪や疲労、冷えなどによいといわれている。
また、ダイダイは、去痰薬や健胃薬として用いられてきた。
ユズもダイダイも、日本の伝統的なハーブである。ユズは、冬至の柚子湯に用いられるし、ダイダイは、「代々」家が栄えたり子孫が続くとされ、縁起がよいとされ、お正月にも飾られる。

ユズとダイダイのリモナーデ剤(甘くて酸っぱいレモネードみたいなもの)は、ジャム瓶に、ユズとダイダイの皮のスライスと氷砂糖を交互に入れておく。すると、ゆっくりと氷砂糖が溶けて、シロップがじんわりと出てくる。10日から2週間くらい冷暗所に置く。飲むときは、シロップがスプーン一杯に対してお湯で割り、1カップとする。焼酎で割っても美味しくいただけるらしい。

リモナーデ剤は、甘味と酸味のある澄明な内用液剤で、疲れた時の賦活、熱があるときの止渇、健胃剤としての食欲促進、消化促進などに用いられる。
今回のリモナーデは、氷砂糖の甘味が栄養補給になり、ユズやダイダイの酸味は心身を元気にする作用があり、また、ユズやダイダイの皮に含まれる苦味は解毒作用もある。

ユズの皮をそいだあと、ユズの果汁を絞り、ざらめを混ぜて、即席のリモナーデを作ったら、香り高く、とても美味しかった。

身近にある日本の植物は、昔から日本人の生活に溶け込み、こころやからだを元気にしたり、癒したりしてきた。
今回、実習で使った植物は、ユズやダイダイが元気にする植物で、梅の花が癒しの植物になるのだろう。でも、元気(活性化)も癒し(鎮静化)も、表裏一体。梅の花が実になれば、梅のリモナーデや梅干しとして元気を与えてくれる。また、ユズやダイダイの花の香りは癒しであるし、実をお風呂に浮かべれば、癒しも元気も同時に与えてくれる気がする。

大切なことは、こころにおいても、からだにおいても、元気(活性化)と癒し(鎮静化)のバランス(調和)である。このバランスが崩れると、いろんな不調があらわれる。たとえ病気や怪我をしていても、このバランスを整えるように生活をしていれば、少しでも潤いのある人生を送れるのではないだろうか。

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by tonepedra | 2011-02-12 10:53 | 薬草/植物療法

季節の薬用植物 <屠蘇散>

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去年12月、岐阜のくすり博物館に入場した際、屠蘇散をお土産にいただいた。

屠蘇散とは、元旦の朝、家族全員がそろって飲む屠蘇酒のもとになる数種類の生薬を調合したもの。日本酒(清酒)または本みりんに一晩漬け込むお祝いの酒である。
屠蘇散の処方は、一般的に、オケラの根、サンショウの実、ボウフウの根、キキョウの根、ニッケイの樹皮、ミカンの皮である。これらは、身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、風邪を予防したりする作用がある。
平安時代に始まったこの年中行事は、中国から伝わり、延命長寿や無病息災を祈る行事となった。
屠蘇とは、「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇らせる」という意味である。
「元旦に飲めば、一年間病気にかからない」と言われるが、最近では、清酒そのままを、お屠蘇として飲むのが主流か。屠蘇散は、日本酒やみりんだけでなく、ウォッカに漬けても美味しいらしい。蜂蜜や黒糖を加えると飲みやすくなるらしい。

今年のお正月、一緒に過ごした友人と飲んだ、ほんまもんの屠蘇酒は、とてもまろやかで美味しかった。ちなみに、屠蘇散を漬け込んだお酒は、奈良県吉野の地酒「やたがらす」のワンカップ。

今年も、「あおによし 奈良の都の 薬草曼陀羅」の名前にふさわしく、奈良と薬草にちなんだ飲み物で、一年が始まった。

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by tonepedra | 2011-01-12 19:16 | 薬草/植物療法

手作りの蚊取り線香

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先日、お香のワークショップで、天然素材の蚊取り線香を作った。

材料は、かえる印の天然除虫菊パウダー(和歌山県産)、ブレンドたぶ、それに、ミキサーで粉末にしたドライハーブ(モミ、ローズマリーなど)を混ぜてこねて、形を作った。
コーン型、細い線香型、蛇型、渦巻き型、円錐型など、自由に作った。たぶん、器用な人なら、星型やハート型などに凝ることもできる。

ちなみに、蚊取り線香を作るきっかけとなったのは、以前、砧公園での芸術療法のワークショップで、参加者が蚊に刺されたからことがあり、天然素材で作ってみたいと誰かが言ったから。
市販の蚊取り線香は匂いがきつく、煙にむせることもあるが、かえる印の除虫菊とハーブで作るものは、香りが穏やかで、体にも優しい。
かえる印の除虫菊パウダーは、100%天然除虫菊の乾燥粉末で、開封したら3ヶ月以内に使用しなければならないらしい。除虫菊に含まれる殺虫成分は、ピレトリンで、空気、光、熱に触れると分解しやすく、効果も毒性も早くなくなるらしい。虫や両生類、水生動物には害があり、人体には害はないらしい。畑の土に除虫菊を混ぜると、防虫効果があるらしい。

今週末、多摩川の花火大会で、この蚊取り線香が実家で大活躍する予定である。

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by tonepedra | 2010-08-17 20:25 | 薬草/植物療法

薬草曼陀羅 その3 ハス

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夏を代表する花のひとつである、ハス(蓮)の花は、仏教の世界では、「蓮華(れんげ)」と呼ばれている。お寺で仏様がお座りになられている花である。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」といわれるように、清らかさや聖なるものの象徴として称えられてきた。
また、万葉の時代には、花托が蜂の巣のように見えることから、「はちす」と呼ばれていた。「はちす」から転じて、「はす」と呼ばれるようになったという。地下茎は「蓮根(れんこん)」といい、食用にされている。

蓮は、日本の文学では、万葉集の時代から詠まれていた。

「ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む」

(早く雨が降らないだろうか。蓮の葉にたまった水が、玉のように弾けて光輝くのを見たいものだ)

万葉の時代では、蓮の花の美しさよりも、蓮の葉にたまった露の美しさが詠まれていたらしい。蓮の葉にたまった美しい露は、どこか神聖な水という気がする。

奈良時代では、蓮の葉をお皿がわりにして、食べ物を盛り付けていたという。確かに、蓮の大きな葉に料理を盛りつけたら、美味しそうな感じがする。現代でも、お盆の時に、ハスの葉の上にもち米をのせて仏前にお供えする。

美しいハスの花のいのちは4日間。花咲くときに、ポンと音がするらしい。


<薬草曼荼羅 植物図鑑>
学名:Nelumbo nucifera
科名・属名:スイレン科、ハス属
英名:lotus
和名:ハス
別名:ハチス、スイレン
生薬:蓮肉(レンニク)
草丈:1~2m
特徴:水生多年草
作用:収斂、止血、鎮静、強壮
適応:流産や早産の予防、不正出血、鼻血、切り傷、擦り傷、疲労
使用方法:実を煎って、粥に入れて食べる。乾燥した実を粉末にして服用する。雄蕊をお茶に入れて服用する。

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by tonepedra | 2010-08-13 02:37 | 薬草/植物療法

「日本のハーブ暦(立秋・処暑)」に参加して

7月23日、トトラボ(School of Herbal Medicine)主催のセミナー「日本のハーブ暦 ~植物と暮らす二十四節気~」に参加した。今回のテーマは、立秋と処暑。

立秋は、この日から立冬の前日までが暦の上で秋となる。「暑中見舞い」は立秋の前日までで、立秋以降は「残暑見舞い」となる。今年の立秋は、8月8日。
処暑は、「暑さがやむ」という意味。今年の処暑は、8月23日。

この時期の行事には、お盆がある。お盆は、旧暦7月15日(旧盆)、新暦7月15日、新暦8月15日(月遅れの盆)などいくつかのパターンがあるが、東京では新暦7月15日、地方では新暦8月15日で行われることが多い。
お盆では、13日夕刻に先祖の霊を迎えるための「迎え火」を焚く。家の前には、盆提灯を用意し、ご先祖様を迎え入れる。また、盆棚に季節の野菜や果物をお供えする。ご先祖をお迎えするときは、早く来ていただくために、キュウリの馬を作る。ご先祖がお帰りになるときは、少しでもゆっくり帰っていただくためにナスの牛を作る。15日または16日に野火を焚いて、または燈籠流し(精霊流し)をして、ご先祖を山や川に送る。日本では、ご先祖の魂は、山や川に宿るとされている。

実習では、「汗どめパウダー」を作った。
カレンデユラ(マリーゴールド)とワハッカ(和薄荷)をミキサーにかけて粉末にし、パウダー状にし、コーンスターチに混ぜてできあがりである。ミキサーがあれば、簡単にできて、お肌にも優しい。
ワハッカには、収斂作用、抗菌作用があり、あせも予防に良い。ローズにも収斂作用が、ローズマリーにも抗菌作用があるため、汗どめパウダーに使えるとのこと。

「日本のハーブ暦」は、今回で1クールが終わり。
次回、12月頃に再開する予定だとのことで、今からとても楽しみである。
村上志緒編著「日本のハーブ事典 身近なハーブ活用法」という本には、日本のハーブ(薬草)について、詳細に記載されているので、とてもためになる。
日本のハーブ(薬草)に、自分なりの想いをこめながら、活用法を学んでいきたい。

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by tonepedra | 2010-07-30 08:47 | 薬草/植物療法