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あをによし 奈良の都の 薬草曼荼羅

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くすり道

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奈良県桜井市にある大神神社は、大和一ノ宮であり、三輪明神とも呼ばれている。地元の人々は、親しみをこめて、「お三輪さん」と呼んでいる。三輪山をご神体としており、日本最古の神社と呼ばれているもののひとつである。

大神神社には、「くすり道」という道がある。大神神社から、その摂社である狭井(さい)神社までの間の僅かな距離であるが、製薬会社の協力で作られており、道の両脇には薬草や薬木が植えられている。人工的に作られた薬草・薬木の道であるが、狭井神社が、くすりの神社であることを象徴している。
狭井神社は、くすりの神様である少彦名大神をまつっているからである。

4月18日は、大神神社と狭井神社の鎮花祭(ちんかさい)の日である。
鎮花祭は、大神神社では毎年4月18日10時半から執り行われる。他にも、関西ではいくつかの神社が行っているようだが、日にちは神社によって異なる。
毎年、桜の花びらが舞い散る頃、花びらとともに疫病が流行ると信じられ、花を鎮めようとした。これが、鎮花祭、「はなしずめのまつり」である。「薬まつり」とも呼ばれている。
鎮花祭では、薬草である百合根や忍冬が供えられる。
そして、神社では、この時期限定の御幣や忍冬酒が授与される。鎮花祭の御幣は、疫病除けのお守りである。忍冬酒は、狭井神社のご神水で作られたもので、からだがよく温まり、関節などの痛みに効果があるとされている。

私は、残念ながら、今年鎮花祭にお参りすることはできなかったが、健康に生きていることに感謝し、これからも健康で生きられることを祈った。

「くすり道」とは、いわば、私たちが健やかに生きるための道しるべである。よく食べ、よく寝て、よく運動する。また、よく感じたり、よく考えたり、泣いたり笑ったりして、精神のバランスを整えることも大切である。こころもからだも、バランスよく生きることが、より良く生きるための道である。

tone
by tonepedra | 2010-04-19 00:06 | 薬草/植物療法